カール・バルト（その生涯と神学の総体像）

『教会教義学　神論�T／３　六章　�~の現実（下）』「三十一節　神の自由の様々な完全性　二　神の不変性と全能」２２−１０（１３４−１４０頁）

「三十一節　神の自由の様々な完全性　二　神の不変性と全能」２２−１０
　さて、「創造および和解の中心と総内容としての前提と根拠としてのイエス・キリストにあっての神の業を抜きん出させているもの」は、「イエス・キリストの中での神ご自身が被造物となり給うたということ（≪このことは、その存在の本質としての神性の受肉を意味するのではなく、その第二の存在の仕方における言葉の受肉を意味する≫）、換言すれば被造物、人間とひとつになり給うたということである」、すなわちイエス・キリスト（イエス・キリストの名）は、まことの神にしてまことの人間（客観的に存在する可視的な人間の歴史的形態）であるということである。すなわち、「神が被造物に対して、（≪全き自由の神の≫）自由な愛の中で、ご自分と交わりを与える際のすべての出来事のただ中でこの出来事が抜きん出ている点」は、「神は、イエス・キリストの中で、被造物とひとつとなり給うたということである（≪このことは、その存在の本質としての神性の受肉を意味するのではなく、その第二の存在の仕方としての言葉の受肉を意味する≫）」。したがって、そのことは、「神が創造の中で、それとしての被造物を生じさせ、神の被造物であらしめたことによってなされたように」、「また神が和解の中で、神から背き去った被造物を引き受けて助けられたことによって為されるように」、「また神が救済の中で、被造物に対してその完全なみ国における生命を贈り与えることによって為し給うように」（この「完成」は終末、すなわち復活されたキリストの再臨を待たなければならないとしても、神の側の真実として、それ故に「成就と執行」・「永遠的実在」として＜すでに＞と、人間の感覚や知識を内容とする経験的普遍にとって＜いまだ＞という啓示の弁証法において・そういう終末論的信仰において「その完全なみ国における生命を贈り与えることによって為し給うように」）、神がわれわれのための神として「ただ単に交わりの中に入り給うたというだけではない」。「この被造物（≪人間の歴史的形態――イエス・キリストの名≫）、人間イエスがそこにい給うことによって、神ご自身がそこにい給う」、何故ならばイエス・キリストは、「失われない単一性」・神性・永遠性を存在の本質とする三位一体の神の第二の存在の仕方、「まさに顕ワサレタ神こそが隠サレタ神である」まことの神にしてまことの人間であるから。「ただ単に創造主および主としてだけでなく、ただ単に被造物に相対してその和解の恵みの中でだけでなく、ただ単に被造物の王、助け主、委任を与える者としてだけでなく」、それ故に「ただ単に被造物が為す証言の中だけでなく」、神はわれわれのための神として、「この被造物の現実存在の中で、被造物の現実存在と共に、直接、（≪神のその都度の自由な恵みの決断による「啓示と信仰の出来事」に基づいて≫）神ご自身を証ししつつそこにい給う」。しかし、このことは、神と神とは異なるわれわれ人間との無限の質的差異の止揚・解消・放棄・減少を意味しない。したがって、神の側の真実としてある、「失われない単一性」・神性・永遠性を本質とする三位一体の神の第二の存在の仕方であるまことの神にしてまことの人間イエス・キリストが、神とは異なるわれわれ人間のために・われわれ人間に代わって・われわれ人間の「神の恩寵への嫌悪と回避」に対する神の答えである「刑罰（死）」を、「唯一回なし遂げ給うた」（「律法の成就」・完了）というインマヌエルの出来事は、神とは異なるわれわれ人間からは「何ら応答を期待せず・また実際に応答を見出さず」とも、「神であることを廃めず」に、「何ら価値や力や資格もない」「罪によって暗くなり・破れた姿」の神とは異なるわれわれの「人間的存在を己の神的存在につけ加え、身内に取り入れ、それをご自分と分離出来ぬよう」に、「しかも（≪神と人間との無限の質的差異の下で≫）混淆（≪混合・協働・共働≫）されぬように、統一し給うた」ということを内容としている）」（『福音と律法』）。

　「失われない単一性」・神性・永遠性を存在の本質とする三位一体の神の第二の存在の仕方、言葉の語り手としての啓示者である父なる神の子としての啓示（語り手の言葉）、起源的な第一の形態の神の言葉、「まさに顕ワサレタ神こそが隠サレタ神である」まことの神にしてまことの人間「イエスは、単に神について語り給うだけ」ではなくて、この「イエスを通して」「神ご自身が……語り給う」、それ故に「神ご自身がイエス（≪語り手の言葉、啓示≫）の中で語り手（≪啓示者≫）であり給う」、その第二の存在の仕方であるイエス・キリストは起源的な第一の存在の仕方である父が子として自分を自分から区別した方である、愛に基づく父と子の交わりである第三の存在の仕方である聖霊の働き・業・行為の中で「父は子の父」・「言葉の語り手」であり、「子は父の子」・「語り手の言葉である」、またこの「イエスは、ただ単に神に対する服従の中で行動し給うだけ」ではなくて、この「失われない差異性」における第二の存在の仕方である「イエスが行動されることによって、（≪その「失われない単一性」・神性・永遠性を存在の本質する≫）神ご自身が行動し給う」、「神ご自身が、神のために被造物によって為されなければならないことを完全な効力をもって、最後決定的に為し給う」、ちょうどわれわれはギリシャ語原典ローマ３・２２やガラテヤ２・１６等の「イエス・キリストの信仰」について、神の側の真実としてある主格的属格として理解し、「イエス・キリストが信ずる信仰」（「律法の成就」・完了）による「神の義、神の子の義、神自身の義」と告白し証しし宣べ伝えなければならないように、またちょうどわれわれは先行する神の用意に包摂された後続する人間の用意ができているところの、「人間に対する神の愛と神に対する人間の愛の同一」（『ローマ書』）であり、「永遠の（神との人間の）和解」（神の側の真実としてある、それ故に神の側からする神の人間との架橋）であり、神との間の「平和」（ローマ五・一）であり、それ故に神の認識可能性である聖性・秘義性・隠蔽性において存在する「失われない単一性」・神性・永遠性を本質とする三位一体の�~の「失われない差異性」における第二の存在の仕方、神の子、啓示・和解、起源的な第一の形態の神の言葉、まことの神にしてまことの人間イエス・キリストにおいて、「神の用意の中に含まれて、人間にとって、神に向かっての、したがって神認識（≪信仰の認識としての神認識、啓示認識・啓示信仰≫）に向かっての人間の用意が存在する」と言わなければならないように、またちょうど先行する神の用意に包摂された後続する人間の用意ができているところの、「永遠の（神との人間の）和解」（神と人間との無限の質的差異の下で、神の側の真実からする、神の人間との架橋）であり、神との間の「平和」（ローマ五・一）であり、それ故に神の認識可能性である聖性・秘義性・隠蔽性において存在する「失われない単一性」・神性・永遠性を本質とする三位一体の�~の「失われない差異性」における第二の存在の仕方、神の子、啓示・和解、起源的な第一の形態の神の言葉、まことの神にしてまことの人間イエス・キリストにおいて、「神の用意の中に含まれて、人間にとって、神に向かっての、したがって神認識（≪信仰の認識としての神認識、啓示認識・啓示信仰≫）に向かっての人間の用意が存在する」と告白し証しし宣べ伝えなければならないように。この「イエスは、ただ単に神の守りと約束のもとで生き、苦しみ、死に給うだけ」ではなくて、この「イエスは、そのことを、まず最初には隠された、それから顕わされた神ご自身の全き栄光（≪下記の【注】を参照≫）の中で、すべての神的完全性を完全に所有しつつ為し給う」。「何故ならば、神のひとり子として、生き、苦しみ、死（≪復活に包括され克服された死としての死≫）に給うからである」、「まさにそれ故に、救いを成し遂げ」、神の側の真実としてある、「成就と執行」・「永遠的実在」としてある、「律法の成就」・完了そのもの、主格的属格として理解されたギリシャ語原典「イエス・キリストの信仰」――「イエス・キリストが信ずる信仰」による「神の義、神の子の義、神自身の義」そのもの、完了・成就された個体的自己としての全人間・全世界・全人類の究極的包括的総体的永遠的な救済・平和そのもの、「まさに顕サレタ神こそが隠サレタ神である」まことの神にしてまことの人間である「彼を（≪神のその都度の自由な恵みの決断による「啓示と信仰の出来事」に基づいて≫）信じるすべての人に救いをもたらし、まさにそれ故に、……ご自身の復活と昇天に向かって進みゆかれるものとして、まさにそれ故に、最初は隠された仕方で、それから明らかな仕方で、永遠から永遠にわたって神のみ座を占める方として、生き、苦しみ、死に給うからである」。

【注】「神は、被造物（≪神とは異なる、宇宙を含めた全自然、その一部である人間、世界≫）ではあり給わない」、「神は罪ではあり給わない」、「神は死ではあり給わない」、神は「同時に単一性と多様性の中であり給う」。「失われない単一性」・神性・永遠性を本質とする三位一体の神、「一人の方自身は、自由の中で愛する方である」、「失われない差異性」における三つの存在の仕方における多様性（≪「失われない差異性」、神の存在としての神の愛の行為の出来事全体の多種多様性≫）は、「神の完全性、神の生（≪全き自由の神の全き自由の愛の行為の出来事としての神の存在≫）の完全性である」。「ここでは、ただ完全性だけが問題となってくる。何故ならば、神が現にあり給うところのもの」は、「神が現に完全性であり給うという理由で、完全であるからである」。神は、存在的にも、認識的にも、内在的にも、外在的にも、「完全性であり給うが故に、完全性であり給うことの中で、完全である」。「ただ神だけが完全性を持ち給う」方として、すなわち神は「完全性をご自分に固有なものとして持ち給う」が故に、自由がそうであるように完全性は「神の中にその本質と現実存在を持っているが故に」、「完全性であり給うことの中で、完全である」。イエス・キリストにおいて自己啓示・自己顕現された三位一体の神が、「父（≪創造主、啓示者≫）、子（≪和解主、啓示≫）、聖霊（≪救済主、啓示されてあること≫）であり給うことによって、換言すれば全き自由の神のその都度の全き自由の決断という全き自由の中で愛し給うことによって（≪「自己自身である神の自由」――すなわちご自身の中での神としての神の自由としての「自存性」とわれわれのための神としての神の自由――すなわち神とは全く異なるわれわれ人間の自己意識・思惟・理性によって為される「すべての条件づけからの神の自由」としての「独立性」との総体性・全体性における全き自由の神の存在としての全き自由の神の全き自由の愛の行為の出来事によって≫）、神にとってすべての完全性が本質的に固有である」。このような訳で、われわれは、イエス・キリストにおける神の自己「啓示に基づいて神について語る時」には、換言すればイエス・キリストの父（起源的な第一の存在の仕方、創造主、言葉の語り手、啓示者、神の愛の行為の出来事としての神の存在）、子としてのイエス・キリスト自身（父が子として自分を自分から区別した第二の存在の仕方、和解主、語り手の言葉、啓示、神の愛の行為の出来事としての神の存在）、「父ト子ヨリ出ズル御霊」である聖霊（愛に基づく父と子の交わりである第三の存在の仕方、救済主、啓示されてあること、神の愛の行為の出来事としての神の存在）という「失われない差異性」について語る時には、同時的に、「失われない単一性」・神性・永遠性としての「神の本質について語る」のである。「この関連性を見て取り理解することが、『神の性質についての教説』の課題である」。われわれは、イエス・キリストにおいて自己啓示・自己顕現された三位一体の神を、「失われない単一性」と「失われない差異性」との総体性・全体性において思惟し語るのである。「われわれは、この教説の中で」、「神は、（ドイツ語はここで、ほかの国語が持っていない表現能力を持っているのであるが）ただ単に主であり給うだけでなく、そのような方として栄光に満ちてい給い、他方すべての栄光は主なる神の栄光であるという認識（≪「栄光」と「主」との総体性・全体性においてイエス・キリストは栄光の主であるという認識≫）を遂行しなければならない」。「われわれは、ここで、まさにこの概念でもってはじめなければならない……」。聖書的啓示証言「�Tコリント二・八、ヤコブ二・一によれば、イエス・キリスト」は、「＜栄光＞（≪聖、全能、永遠、力、善、あわれみ、義、遍在、知恵等≫）の＜主＞であり給う」――「そのような方として、認識され承認され」ている、それ故に聖書的啓示証言からすれば、主と栄光とを切り離して認識する「切り離し」は許されない。

　「失われない単一性」・神性・永遠性を存在の本質とする三位一体の神は、その第二の存在の仕方である「イエス・キリストの中で、被造物とそのように一つであり給うた（≪神性の受肉ではなくて言葉の受肉、「失われない単一性」・神性・永遠性を存在の本質とする「神の神性において」・「神の神性と共に、ただちにまた神の人間性（≪「失われない差異性」における第二の存在の仕方≫）もわれわれに出会う」イエス・キリストは、まことの神にしてまことの人間である≫）が故に、それに基づいて、神と（≪神とは全く異なる≫）被造物（≪未知の宇宙を含めた全自然、その一部としての人間・その世界≫）の間に交わりがあったし、今もあるのである」、それ故にキリストにあっての神は、「既に……それに基づいて、……この世のただ中において、和解の務め（≪『福音と律法』によれば、人間論的な自然的人間、教会論的なキリスト教的人間、誰であれ、われわれ人間の「更新を可能とするのは、今日に至るまで罪人の手に渡され・十字架につけられ・死んで甦られ給うたイエス・キリストにある＜復活の力＞のみである」≫）をうち立てられたと言うことができる。何故ならば、神は、イエス・キリストにあって、被造物とひとつであるための力（≪『ローマ書』によれば、「イエス・キリストにおける神の愛」は、すなわち『教会教義学』の「神の言葉」および「神論」の論じ方に即して言えば「失われない単一性」・神性・永遠性を存在の本質とする三位一体の「失われない差異性」における神の第二の存在の仕方、全き自由の神の存在としての全き自由の神の全き自由の愛の行為の出来事は、「神自身の人間に対する神の愛と神に対する人間の愛の同一である」≫）を持ち給い、すすんでそのことをしようとされ、そのことに対して準備ができ、事実そのことを為し給うたからである。まさにそのことを為し給うたし、今もなし給う方として、神はすべてのそのみ業（≪その「失われない差異性」における父・子・聖霊という三つの存在の仕方、性質・働き・業・行為・行動≫）において不変であり、神はまた、ご自身の中（≪その「失われない単一性」・神性・永遠性を存在の本質とする中で≫）で不変であり給う」。このような訳で、「人はよく注意せよ」――「この『不変である』このとの中に……神がそのことを為し給うたし、今もなおないし給う時、そのことは恵みであるということ（≪神の側からする、全き自由の神のその都度の全き自由の恵みの決断によるということ≫）」、それ故に「神は、そのことを為し給わなければならなかったとか、為し給わなければならないということはないということ」、それ故に「神は、そのことを自由な愛（≪全き自由の神の存在としての全き自由の神の全き自由の愛の行為の出来事≫）の中で為し給うたし、為し給うということが含まれているのである」。言い換えれば、「その本質の中に（≪「失われない単一性」・神性・永遠性というその存在の本質の中に≫）必然的にそのようにせざるを得ないということが含まれているからではなく、自由な愛の中で（≪「失われない単一性」・神性・永遠性を本質とする三位一体の神の「失われない差異性」における父・子・聖霊という三つの存在の仕方の中で、すなわち父・子・聖霊という全き自由の神の存在としての全き自由の神の全き自由の愛の行為の出来事の中で≫）そのことを為し給うということが含まれている方……が不変なる神であり給う」、「この『不変である』ことの中に、……神はそのことを自由な愛の中で、事実なし給うたということが含まれている」。このような訳で、「神は、（≪「失われない単一性」・神性・永遠性を本質とする三位一体の神の「失われない差異性」における第二の存在の仕方である≫）イエス・キリストの中で、（≪「失われない単一性」・神性・永遠性というその存在の本質における神性の受肉ではなく、性質・働き・業・行為・行動という「失われない差異性」における第二の存在の仕方における言葉の受肉において≫）被造物とひとつ（≪まことの神にしてまことの人間≫）となられたし、ひとつ（≪まことの神にしてまことの人間≫）であることによって、不変であり給う」――このイエス・キリストの業と「行為の中で」、神は、「現にあるところのものとして」、「被造物の創造主および和解主ならびに救済主として、ご自身を確証し、啓示し給う」、自己認識・自己理解・自己規定し給う。このことは、「現にあるところのものとしてである。何故ならば、（≪神性の受肉ではなく、言葉の受肉として≫）人間となるということは、それとして神の三位一体の確証であるからである」。この「人間となるということ」は、「どうしても神の単一性（≪その存在の本質としての「失われない単一性」・神性・永遠性≫）を取り除くことなしに、（≪「失われない差異性」における≫）父と子の相違性を、それと同時に（≪「神にとっての最高の法則であり、最後的な実在である」、すなわちその第三の存在の仕方である「父ト子ヨリ出ズル御霊」≫）聖霊にあっての父と子の（≪愛に基づく≫）交わりを啓示する。それは創造主としてである。何故ならば、まさに（≪その存在の本質における神性の受肉ではなくて、その第二の存在の仕方における言葉の受肉として≫）人間となるということこそが、それとして、神とは異なる被造物の実在の中での被造物を確認することだからである」。このような訳で、神のその都度の自由な恵みの決断による、このイエス・キリストにおける啓示の出来事と聖霊の注ぎによる信仰の出来事に基づいて与えられる信仰の認識としての神認識（啓示認識・啓示信仰）を通して、われわれは、恣意的・独断的にではなく、客観的に「神に対する人間的反抗」、「罪深い堕落した人間の世」、神だけでなくわれわれ人間もという際限なき人間の自主性・自己主張・自己義認の欲求――すなわち無神性・不信仰・真実の罪を認識させられ自覚させられるのである、また「自分の理性」や自分の感情力・意志力や自然を内面の原理とした身体的修行によっては「全く信じることができないこと」を認識させられ自覚させられるのである、日々瞬間瞬間キリストにあっての神から遠ざかり・遠ざかり続け・罪を新たな罪を犯していることを認識させられ自覚させられるのである、われわれ人間は「肉であって、それ故に神ではなく、そのままでは神に接するための器官や能力を持っていないこと」を認識させられ自覚させられるのである。したがって、キリストにあっての神は、イエス・キリストの業と「行為の中で」、すなわちその第二の存在の仕方における全き自由の神の存在としての全き自由の神の全き自由の愛の行為の出来事の中で、「現にあるところのものとして」、「最後に」、「被造物の和解主ならびに救済主として、ご自身を確証し、啓示し給う」、自己認識・自己理解・自己規定し給う。何故ならば、その存在の本質における神性の受肉ではなくて、その第二の存在の仕方における言葉の受肉として「人間となるということは、それとして」、キリストにあっての「神が堕落した被造物を引き受けられるということ」、すなわちキリストにあっての「神は堕落した被造物を完全な救済へと導くことを欲し給うということ……を確証しているからである」――この限り、「イエス・キリストの中で啓示され、（≪神のその都度の自由な恵みの決断による「啓示と信仰の出来事」に基づいて≫）認識されるようになることは、まさに神の不変性」についての認識――すなわち、信仰の認識としての神認識、啓示認識・啓示信仰である。