『教会教義学 神論Ⅰ／２ 六章 神の現実（上）』「二十八節 自由の中で愛する方としての神の存在 三 自由の中での神の存在」（その３－１）－２
カール・バルト『教会教義学 神論Ⅰ／２ 六章 神の現実（上）』吉永正義訳、新教出版社に基づく
『教会教義学 神論Ⅰ／２ 六章 神の現実（上）』「二十八節 自由の中で愛する方としての神の存在 三 自由の中での神の存在」（その３－１）－２（８１－９６頁）
「二十八節 自由の中で愛する方としての神の存在 三 自由の中での神の存在」（その３－１）－２
教会の＜客観的＞な信仰告白および教義である三位一体論の根拠としての神の啓示は、旧約聖書におけるヤハウェ、新約聖書における神（テオス）あるいは主（キュリオス）自身の自己啓示のことである。聖書的啓示証言において神は、イエス・キリストの父、子としてのイエス・キリスト自身、父と子の霊である聖霊であり、このような三位一体の神として自己啓示した。このイエス・キリストにおける神の自己啓示が、教会の宣教の＜客観的＞な信仰告白および教義である三位一体論の根拠である。したがって、この三位一体論は、「神論の決定的に重要な構成要素」であり、「啓示の認識原理」である。したがってまた、「教会の宣教の批判と訂正」は、常にこの三位一体論に即して行わなければならないのである。何故ならば、この三位一体論を啓示認識の原理にしない場合、すぐに「神性否定のキリスト論」や「半神・半人キリスト論」や「三神」・「三つの対象」・「三つの神的我（われ）」論等々の誤謬に、総括的に言えば自然神学、自然的な信仰・神学・教会の宣教の誤謬に陥るからである（『教会教義学 神の言葉Ⅰ／１・２』）。
「モーセ五書の中で、それから再びエゼキエル書の中で、……頻繁に出てくる『わたしは主である』」、「その後、別な言い方『わたしはあなた方（あなた）の神、主である』が分析的に続いており、またヨハネ文書の中に出てくるイエスの『わたしがそれである』の中にその正確な新約聖書の平行的表現を持っている『わたしは主である』よりももっと明瞭な＜神の神性＞（≪神の本質としての神性≫）についての記述は存在しない」。「この聖書的な『わたしがそれである』の中で、（≪自己還帰する対自的であって対他的・他在であって自在・全き自由の、自存性としての≫）主体が自分自身を措定し、まさにそれと共に自分自身を生き、愛する主として措定しているということは、まことに明白なことである」。「この主体が、そのことを為すことによって、この主体は神である。そのことを為す者、その者が聖書の神である」、聖性・秘義性・隠蔽性において存在する単一性・神性・永遠性を本質とする三位一体の神の第二の存在の仕方――「まさに顕ワサレタ神こそが隠サレタ神である」まことの神にしてまことの人間、インマヌエルとしてナザレのイエスという「人間の歴史的形態」――すなわち「イエス・キリストの名」によって啓示された神が聖書の神である。「彼はそのことを為す方であるが故に、彼の外にあるすべてのものは、彼のみ心に適うか適わないかということによってもってかかっているのである」（例えば『福音と律法』では、次のように言われている――「『私がいま肉にあって生きているのは、私を愛し、私のために御自身をささげられた神の御子の信じる信仰によって、生きているのである。（これを言葉通り理解すれば、＜私は決して神の子に対する私の信仰に由って生きるのではなく、神の子が信じ給うことに由って生きるのだ＞ということである）』（ガラテヤ二・一九以下）。（中略）自分が聖徒の交わりの中に居る……罪の赦しを受けた（中略）肉の甦りと永久の生命を目指しているということ――そのことを彼は信じてはいる。しかしそのことは、現実ではない。……部分的にも現実ではない。そのことが現実であるのは、ただ、われわれのために人として生まれ・われわれのために死に・われわれのために甦り給う主イエス・キリストが、彼にとってもその主であり、その避け所でありその城であり、その神であるということにおいてのみである」・「人間の人間的存在がわれわれの人間的存在である限りは、われわれは一切の人間的存在の終極として、老衰・病院・戦場・墓場・腐敗ないし塵灰以外には、何も眼前に見ないのであるが、しかしそれと同時に、人間的存在がイエス・キリストの人間的存在である限りは、われわれがそれと同様に確実に、否、それよりもはるかに確実に、甦りと永遠の生命以外の何ものも眼前にみないということ――これが神の恩寵である」）。「それ故に、彼のみくらは『高くあげられ』（イザヤ六・一）、彼ご自身によって『天に堅くすえられ』（詩篇一〇三・一九）、『ケルビムの上に』（Ⅱ列王一九・一五）あるのである。それ故に、彼の目は『地の上を見おろされる』（詩篇一一・四、三三・一三以下、一〇二・二〇）のである。それ故に、彼のような者はいない（出エジプト八・一〇、一五・一一、詩篇八六・八、八九・七）、それ故にただ彼だけが神でありその他に神はない（申命四・三五、Ⅱ列王一九・一五、Ⅰ歴代一七・二〇）。それ故に、彼は『主の主、王の王』（Ⅰテモテ六・一五、黙示一七・一四、一九・一六）であり、それ故に……彼は初めであり、終りである（イザヤ四四・六、黙示一・八、一七、二一・六、二二・一三）。それ故に、ローマ一二・三五以下で『だれが、まず主に与えて、その報いを受けるであろうか』、万物は神から出で、神によって成り、神に帰するのである。栄光がとこしえに神にあるように、と言われている」。完了・成就された個体的自己としての全人間・全世界・全人類の究極的包括的総体的永遠的な救済・平和そのものであるイエス・キリストにおける神の自己啓示は、その客観的な啓示自身に固有な証明能力を持っている、キリストの霊である聖霊の証しの力を持っている、神の言葉自身の出来事の自己運動を持っている、神のその都度の自由な恵みの決断による「啓示と信仰の出来事」に基づいて信仰の認識としての神認識（啓示認識・啓示信仰）をわれわれ人間的主観に実現させる力を持っている、啓示者（イエス・キリストの父）、啓示（子としてのイエス・キリスト自身）、啓示されてあること（愛に基づく父と子の交わりである聖霊）という三位一体の唯一の啓示の類比としての神の言葉の実在の出来事である、それ自身が聖霊の業であり啓示の主観的可能性としての「神の言葉の三形態」（キリスト教に固有な類・歴史性）を持っている、起源的な第一の形態の神の言葉（具体的には、第二の形態の聖書的啓示証言のそれ）を、われわれ人間の宣教、その思惟と語りにおける＜客観的＞な原理・規準・法廷・審判者・支配者として持っている。人が、聖性・秘義性・隠蔽性において存在する神の不把握性としての「隠サレタ」神の「崇高さ、主権、尊厳性、神聖さ、栄光」、「神の『超越性』と呼ぶもの」――「それらすべては、まさに」、「顕ワサレタ」「神のこの自己規定（≪・自己認識・自己理解≫）、神が生きることと愛することの、神の人格の（≪三位一体の神の名、父・創造主・啓示者、子・和解主・啓示、聖霊・救済主・啓示されてあること、存在の仕方、働き、業と行為、神の生と愛の行為の出来事としての神の存在の≫）、この（≪自己還帰する対自的であって対他的・他在であって自在・全き≫）自由以外の何であろうか」。したがって、われわれは、「神の愛の性質のすべての精密規定を、神の愛の神性、すなわちその崇高さを考慮しないでは遂行することができない」ように、「逆に、そのすべての性質の中での神ご自身の神性を、この神の自由な総内容として理解しなければならない」のである。バルトは、『教会教義学 神の言葉Ⅰ／１・２』で、次のように述べている――「最も単純な形」において「神の啓示の実在」を問う問いに対する「新約聖書の答え」は、「永遠なる神性」を本質とする「まことの神」にして「まことの人間」「イエス・キリストの名」（単一性・神性・永遠性を本質とする三位一体の神の第二の存在の仕方、神の子、起源的な第一の形態の神の言葉、客観的な「啓示の実在」そのもの）だけである。三位一体の根本命題に即して理解すれば、イエス・キリストのその存在は＜神性＞を本質としているから、「啓示の出来事においてはじめて神の子」、起源的な第一の形態の「神の言葉」となるのではなく、「父を啓示する者」、そして「われわれを父と和解させる者」として、「イエス・キリストは神の子」、起源的な第一の形態の神の言葉、第二の存在の仕方なのである。このキリストの神性は、第二の存在の仕方、働き、業と行為、その生と愛の行為の出来事としての神の存在、すなわち「啓示および和解におけるキリストの行為の中で認識」することができるのである。このような訳で、その啓示と和解（第二の存在の仕方）が「キリストの神性」の根拠ではなくて、単一性・神性・永遠性を本質とするその「キリストの神性」が「啓示と和解を生じさせる」のである。ここに一切合財があるのであって、「赦す神」はたとえその人がまことの人間であっても人間に内在することは決してないのである。「イエス・キリストは主なり」という信仰命題は、「概念の最後的・究極的意味」において、イエス・キリストが単一性・神性・永遠性を本質としており、「自分自身の中に基礎づけられて」、全き自由の「唯一の」「もろもろの」「主」「主権」であるということを意味している。この神性を本質とするイエス・キリストの存在が、「イエス・キリストを直接に」「唯一の神である」「父の場所へと移す」のである。イエス・キリストは神であるという「キリストの神性についての命題」は、第二の存在の仕方である「彼の（≪起源的な第一の存在の仕方である≫）父を啓示する」、「父を啓示するものは（≪単一性・神性・永遠性を本質とする≫）神を啓示する」ということを意味している。このイエス・キリストは、啓示の中で、「主」として、「永遠の真理」および客観的な「啓示の実在自体」として、「降下突入してくる」。「われわれは、光よりの光、神よりのまことの神、造られずして生まれたものとしてのイエス・キリストを信ず」――この信仰告白および教義は、「キリストの神性についての三位一体神学の本来的にして決定的な規定」である。「造られずして、生まれ」とは、第二の存在の仕方であるイエス・キリストは神性を本質とするということを、「神から由来する」ということを意味している。「和解主としてのイエス・キリストは、神ご自身」であり、単一性・神性・永遠性を本質としているが故に、イエス・キリストのその第二の存在の仕方における「人間的『性質』」、「人間であること」、「神との和解者としてわれわれに出会うところの人間であること」は、「啓示および和解として現実に有効」なのである。
さて、われわれは、「自由」という概念によって、「古代教会の神学の中で神ノ自存性と呼ばれたもののことを言い表す」のである。それは、「神の属性と自己という言葉とを結びつけ」たところの、神の「固有」性としての「自己存在、自己生命、自己善」という概念である。この概念規定は、「ギリシャ教父たちのところで好んで為された」。「自己充足、自己支配者、自己神等々」という神概念の規定は、「カンタベリーのアンセルムスのところで初めて定式化されて用いられた」――「最高実体ハ、タトエソレガ何デアロウト、ソレ自身ヲ通シテ、ソレ自身カラシテ、ソレガ現ニアルトコロノモノデアル。最高ノ真理ハ、……イカナルモノニモ何モ負ウテオラズ、シタガッテソレガ存在スルコトヲ、タダソレガ存在スルトイウ理由ヲ徐イテハ、イカナル理由ニモ負ウテイナイ。汝ハ全ク自己自身ニ充足シ、イカナルモノヲモ要シ給ワヌガ、一切ノモノハ、ソレラガ存在スルタメニハ、汝ヲ要スルノデアル」・「ソレ故、彼ハ、ソレガ何デアレ、持チ給ウトコロノモノヲ、ゴ自身カラシテ持チ給ウ」。しかし、「古プロテスタントの教義学者たち」以降、「自己自身である神の自由」としての「自存性の概念（≪自由の概念の積極的側面≫）」が「神とは違うものによって為されるすべての条件づけからの神の自由」としての「独立性の概念（≪自由の概念の消極的側面≫）に……置き換えられ」、それ故にその神の自由の積極的な側面が後景へと退けられ、その消極的な側面が前景化させられた、換言すれば「神はモーセに、『わたしはある。わたしはあるという者だ』と言われ、また、イスラエルの人々にこう言うがよい。『わたしはある』という方がわたしをあなたたちに遣わされたのだと」という「出エジプト三・一四を特に好んで引用したところで、……聖書的な神概念」に信頼し固執し連帯した神の自由の積極的な側面である「自己自身である神の自由」が後景へと退けらたのである。このような訳で、「神の自由」という概念は、その積極的側面を「強調」しつつ、その積極的側面と消極的側面との総体構造において定義しなければならないのである。すなわち、それは、「自己自身である神の自由」としての「自存性の概念（≪自由の概念の積極的側面≫）」と「神とは違うものによって為されるすべての条件づけからの神の自由」としての「独立性の概念（≪自由の概念の消極的側面≫）」との総体において定義しなければならないのである。何故ならば、例えば「世界に対する神の関係」としての「神の創造と和解の概念」と「神の全能、遍在、永遠性の概念」は、「神とは違うものによって為されるすべての条件づけからの神の自由」としての「独立性の概念（≪自由の概念の消極的側面≫）」に「言及することとなしに、把握し、展開することはできない」からである。しかし、その「神とは違うものによって為されるすべての条件づけからの神の自由」は、神の内在的な自己還帰する対自的であって対他的・他在であって自在・全き自由の他在における「ただ外に向かっての神の行為の本来的な積極性であるばかりでなく」、「また、（≪自在における≫）神ご自身の内的な本質の本来的な積極性である」という「認識の下で起こる時にだけ、正しい仕方で為すことができるし、為す」のである。キリストにあっての「神についての聖書的な証言」は、「神とは違うすべてのものに対して」持つところの神の「優位性」を、「神とは違うものによって為されるすべての条件づけ（≪外的条件づけ≫）からの神の自由（≪独立性≫）として」の「神の相違性そのものの中でだけ見ているだけでなく」、「神がそれらを実証することによって」、それ故に「外的条件づけからの神の自由」に「相対しても自由であり」（自存性）、この全き自由を放棄することなく、「創造主、和解主、救済主として」、「神とは違った実在との交わりへと歩み入り、その交わりの中でその実在に対して忠実であり給うということの中で」、神の「真実を実証し、まさにそのようにしてこそ現実に自由である、ご自身の中で自由である」ところの「神の自由」（自存性）の中で見ている。バルトは、『福音と律法』で、次のように述べている――「神は、神なき者がその状態から立ち返って生きるために、ただそのためにのみ彼の死を欲し給うのである……しかし誰がこのような答えを聞くであろうか。……承認するであろうか。……誰がこのような答えに屈服するであろうか。われわれのうち誰一人として、そのようなことはしない！ 神の恩寵は、ここですでに、恩寵に対するわれわれの憎悪に出会う。しかるに、この救いの答えをわれわれに代わって答え・人間の自主性と無神性を放棄し・人間は喪われたものであると告白し・己に逆らって神を正しとし、かくして神の恩寵を受け入れるということを、神の永遠の御言葉が（肉となり給うことによって、肉において服従を確証し給うことによって、またこの服従において刑罰を受け、かくて死に給うことによって）引き受けたということ――これが恩寵本来の業である。これこそ、イエス・キリストがその地上における全生涯にわたって、ことにその最後に当たって、我々のためになし給うたことである。彼は全く端的に、信じ給うたのである」「ローマ三・二二、ガラテヤ二・一六等の（≪ギリシャ語原典における≫）「イエス・キリストの信仰」の＜属格＞は、（≪「イエス・キリストを信じる信仰」という目的格的属格としてではなくて、≫）明らかに（≪あくまでも神の側の真実としてのみある「イエス・キリストが信じる信仰」という≫）主格的属格として理解されるべきものである（≪明らかに主格的属格として認識され自覚され訳されるべきものである、明らかに主格的属格として啓示認識され啓示信仰されるべきものである≫）」。キリストにあっての「神は、（≪自存性として≫）ただ単に条件づけられないものでなければならないだけではない。神は、その条件づけられない姿の中で、神があの交わりを取り上げられることによって」、あの「啓示と信仰の出来事」に基づいて、起源的な第一の形態の神の言葉（具体的には、その第二の形態の聖書的啓示証言のそれ）を＜客観的＞な原理・規準・法廷・審判者・支配者として、信仰の認識として神認識（啓示認識・啓示信仰）における人間の言語を介した直観と概念を用いて「条件づけられることができるし、条件づけられることを欲し給う」。このことを「為すことができ、為す方」――「その方こそが、聖書の（≪キリストにあっての≫）神、われわれが（≪イエス・キリストにおける≫）神の啓示から知っている三位一体の神であり給う。神の行為（≪神の愛の行為の出来事としての神の存在≫）の中で確証され、実証された、この出来るということが神の自由である」。このような訳で、神の自由の積極的側面としての内在的な「神の自存性の概念」が、「独立性あるいは無限性の概念によって」、さらに「その後……条件づけられない者あるいは絶対者の概念によって、解釈されあるいはむしろ駆逐された時」、その「神の自存性の概念」は、「後退」させられたのである、換言すればその時、人間の側からする、神の人間化があるいは人間の神化が起こったのである。例えば「絶対者の概念」は、あくまでも自己運動する理念（起源、即自、普遍）――父、自然（否定、対自、特殊）――子、精神（否定の否定、即自かつ対自、高次の段階、個別、具体的普遍、感覚的な要素を包括し止揚した＜学＞）――聖霊という「ヘーゲル的な三位一体論」における「神の存在の積極的な概念」の下においては成立可能な概念である。また、「神の超越性という概念」も、神の自由の積極的側面である「神の自存性」の下で「言い表す時にだけ」、「神の本質を、……言い表している」。したがって、人が、これらのことを「考慮」しないならば、すなわち「神の本質を、新プラトン主義の宿命的な教示に従って、その抽象的に理解された超越性の中」で、換言すれば「神と異なった実在との関係において（≪「抽象的に理解された超越性」としての≫）非存在として定義された神の存在の中で見るならば」、「人は、聖書の神概念」を、対象化され客体化された人間自身の自己意識・理性・思惟の類的本質――すなわち「自分自身についての人間の最高の概念」としての「一つの（≪神≫）概念に置き換え」たことになるのである。このような「われわれの限界の概念を神化の対象とするならば、その時われわれは、そのことによっては決して（≪聖書的啓示証言におけるキリストにあっての≫）神を証し」することはできず、それ故にわれわれ自身が対象化し客体化した「存在者レベルでの」「神の名の下で」、それ故にまた「神の名を誤用しつつ」、それ故にまた「われわれの確信を、そして……すべての不完全性から信頼できる程度に純化された、しかしその存在に関しては（しかもその神的な存在に関しても）結局はただ徹頭徹尾（≪人間理性や人間的欲求やによって≫）要請されたに過ぎないわれわれ自身の理想像に対して……高い評価と崇拝の念を証ししている」だけなのである。
聖書的啓示証言におけるキリストにあっての「神ご自身においてのみ実在であり真理である」「神の自由」は、「神ご自身の自由である」。言い換えれば、それは、「存在する自由」――すなわち「ただ単に神と異なる実在（≪自己身体を持った人間、天然自然、人間化された自然としての人間的自然・非有機的身体≫）のように存在するというのではなく」、そのような神と異なる実在の中で、「行動する創造主、和解主、救済主として（≪その三つの存在の仕方における、全き自由な神の愛の行為の出来事としての神の存在として≫）」、それ故に「そのような（≪神と異なる≫）実在の主として」、「ただ単にそのような（≪神と異なる≫）実在の存在」との「相違性の中で存在する」自由ということだけでなく、「ご自身の中」においても、すなわち聖性・秘義性・隠蔽性において存在する単一性・神性・永遠性を本質とする三位一体の神の起源的な第一の存在の仕方である「父なる名の内三位一体的特殊性」における父、子、聖霊なる神としても「自由」ということである。バルトは、『教会教義学 神の言葉Ⅰ／１・２』で、次のように述べている――聖書で、イエス・キリストにおいて自己啓示された神は、「失われない差異性の中」で三つの存在の仕方（性質、働き、行動、業と行為、全き自由の神の愛の行為の出来事としての神の存在）において「三度別様」に父、子、聖霊なる神であって、「失われない」単一性・神性・永遠性を本質とする「一神」・「一人の同一なる神」である。したがって、「三神」、「三の対象」、「三つの神的我（われ）」ではなく、父、子、聖霊の三つの存在の仕方（神と人間との無限の質的差異の下での、＜われ――存在＞、先行する起源的な本来的な人格）の、単一性・神性・永遠性を本質とする「一人の同一なる神」、すなわち「三位一体」の神なのである。したがってまた、単一性・神性・永遠性を本質とする神の完全さ・自由さは、父、子、聖霊の三つの存在の仕方（神と人間との無限の質的差異の下での、＜われ――存在＞、先行する起源的な本来的な人格）の完全さ・自由さなのである。イエス・キリストによる自己啓示・自己顕現において「われわれに出会う（≪単一性・神性・永遠性を本質とする≫）神」である父、子、聖霊は、「啓示者、啓示、啓示されてあること」、「神の聖（≪隠蔽≫）、あわれみ（≪顕現≫）、愛（≪父・隠蔽と子・顕現の愛に基づく交わり≫）」、「聖金曜日、復活日、聖霊降誕日」、「創造主なる神、和解主なる神、救済者なる神」という三つの存在の仕方（神と人間との無限の質的差異の下での、＜われ――存在＞、先行する起源的な本来的な人格）に対応している。この神は、「隠蔽」と「顕現」において、またその都度の自由な恵みの決断において、「人間に対して自己を伝達」・啓示する。
イエス・キリストにおける「神の自己啓示によれば、神は、神とは異なる実在の内部で、神の現実存在を自ら証明する自由を持ち給う」。「よく注意せよ。それは、神の現実存在」を、それ故に神とは異なる「実在全体」が対象化し客体化した「存在者レベルでの神」の存在では決してなく、徹頭徹尾「自ら証明する自由」における「存在者の存在」――すなわち「神の現実存在」を「自ら証明する自由を持ち給う」ということである。言い換えれば、自己還帰する対自的であって対他的・他在であって自在・全き自由の神の、イエス・キリストにおける自己啓示は、それ自体に、その客観的な啓示自身に固有な証明能力を持っている、キリストの霊である聖霊自身による証しの力を持っている、起源的な第一の形態の神の言葉自身の出来事の自己運動を持っている、神のその都度の自由な恵みの決断による客観的な啓示の出来事とその出来事の中での主観的側面である聖霊の注ぎによる信仰の出来事（聖霊の注ぎによる人間的主観に実現された神の恵みの出来事）に基づいて信仰の認識としての神認識（啓示認識・啓示信仰）を与える力を持っている、われわれ人間の宣教、その思惟と語りにおける原理・規準・法廷・審判者・支配者としての、それ自身聖霊の業であり啓示の主観的可能性としての「神の言葉の三形態」（キリスト教に固有な類・歴史性――すなわち神に固有な自己証明能力による啓示されてあること・「存在者の存在」・「神の現実存在」。それ故に、人間によって対象化され客体化された神とは異なる「実在全体」では決してない）の関係と構造・秩序性における起源的な第一の形態の神の言葉（具体的には、第二の形態の聖書的啓示証言のそれ）を持っている。このことは、第三の形態の属する全く人間的な教会のただ中でも惹き起こされている――ちょうど、近代主義のただ中を経由した現代において、西欧的危機のただ中において、ある社会構成・支配構成・文明的文化的構成のただ中を生きる第三の形態の属する全く人間的な教会の中に、われわれと同じようにただの人間ではあるが、起源的な第一の形態の神の言葉である「イエス・キリストの名」（具体的には、第二の形態の神の言葉である聖書的啓示証言のそれ）に「絶対的」に信頼し固執し連帯して、イエス・キリストをのみ主・頭とする「ヒトツノ、聖ナル、公同ノ教会」を志向し目指し、教会の宣教にとって最善・最良の神学を展開したバルト自身を持っている、ように。前述したように、キリストにあっての神は、「神の現実存在を自ら証明する自由を持ち給う」ということは、「神が〔人間の思惟の中で〕考えられることから独立した（≪人間の自由な自己意識・理性・思惟の類的活動の対象として考えられることから独立した≫）神の存在」を、「人間の思惟に先行し、その思惟を基礎づけている、徹頭徹尾対象的な神の存在」を「自ら証明する」ということである。すなわち、「神とは異なる実在の内部」で「神の現実存在」を「自ら証明する」ということである、ちょうど先行する神の用意に包摂された後続する人間の用意ができているところの、「人間に対する神の愛と神に対する人間の愛の同一」（『ローマ書』）であり、「永遠の（神との人間の）和解」であり、神との間の「平和」（ローマ五・一）であり、それ故に神の認識可能性である聖性・秘義性・隠蔽性において存在する単一性・神性・永遠性を本質とする三位一体の神の第二の存在の仕方、神の子、起源的な第一の形態の神の言葉、「まさに顕ワサレタ神こそが隠サレタ神である」まことの神にしてまことの人間イエス・キリストにおいて、「神の用意の中に含まれて、人間にとって、神に向かっての、したがって神認識（≪信仰の認識としての神認識、啓示認識・啓示信仰≫）に向かっての人間の用意が存在する」ように。「それであるから、神のこの現実存在」が、「人間も属している……実在（≪天然自然、人間も自然の一部である――人間の自己身体・他者身体、人間化された自然である人間的自然・非有機的身体≫）の中で、またその実在と異なるその全くの相違性の中で、（≪神のその都度の自由な恵みの決断による「啓示と信仰の出来事」に基づいて終末論的限界の下で≫）人間によって認識されることができる」のである。また、「それであるから」、「神の自己証明」が、それ自身聖霊の業であり啓示の主観的可能性としての「神の言葉の三形態」（キリスト教に固有な類・歴史性）の関係と構造・秩序性における起源的な第一の形態の神の言葉（具体的には、その第二の形態の聖書的啓示証言のそれ）を措定し、またそれを、われわれの人間の宣教、その思惟と語りにおける原理・規準・法廷・審判者・支配者として措定し、またそれを、神のその都度の自由な恵みの決断による「啓示と信仰の出来事」に基づいて「人間によって認識……承認」させ、「人間の認識行為の枠内で繰り返（≪媒介・反復≫）」させるのである。これらすべてのことは、「明らかに、（≪イエス・キリストにおける≫）神の啓示が起こり、信仰を造り出し、見出すことによって、起こるのである」、すなわち啓示自身が持っている啓示に固有な証明能力、キリストの霊である聖霊の証しの力、神の言葉自身の出来事の自己運動、神のその都度の自由な恵みの決断による「啓示と信仰の出来事」に基づいて終末論的限界の下で与えられる信仰の認識としての神認識（啓示認識・啓示信仰）において起こるのである。したがって、神は、「それらすべてに対して……自由を持ち給う」、「その（≪イエス・キリストにおける≫）啓示の中で、ご自身で（≪現にあるところの方として、すなわち聖性・秘義性・隠蔽において存在する単一性・神性・永遠性を本質とする三つの存在の仕方において「三度別様」に、イエス・キリストの父・創造主・啓示者、子としてのイエス・キリスト自身・和解主・啓示、愛に基づく父と子の交わりである聖霊・救済主・啓示されてあること、としての三位一体の神として≫）事を初める自由を確証し、実証し給う」。この「神の自由」は、そのような「ご自身の現実存在そのものによって」、内在的な「父なる名の三位一体的特殊性」に引き寄せて言えば「ご自身の現実存在そのものの中で」、「神の現実存在を基礎づける自由である」、神の「自存性」である。神「ご自身」がこの神の自由を確証し実証することは、このようにして、神と人間との無限の質的差異の下で、「神と異なっている」「実在の存在」の「ただ中において……起こるのである」。神は、このことを「証明する自由をその（≪イエス・キリストにおける≫）啓示の中で確証（≪自己認識・自己理解・自己規定≫）し実証したもう」。このことが、「イスラエルの選びと支配の中であらかじめ示されたイエス・キリストにおける神の受肉（≪受肉は、決してその本質としての神性の受肉ではなく、その第二の存在の仕方における言葉の受肉である≫）の自由、神の言葉の自由、神の霊の自由、神の恵みの自由である」。この「自由は、全線にわたって、神が為し給う（≪先行する神の≫）存在証明……の自由である」、それ故に「すべての人間による神の存在証明」は、それが人間自身が対象化し客体化した「存在者レベルでの神」（人間化された神あるいは神の人間化としての神）のそれでないならば、「ただその（≪「神が為し給う存在証明」の≫）後に従って」為し得るところの「（≪あの「啓示と信仰の出来事」に基づいて終末論的限界の下で与えられる≫）写し」、模写であることができるだけなのである。「この条件を満たしているということ」が、「（誤ってそう呼ばれ、それとの関連の中で絶えず誤解された）カンタベリーのアンセルムスの『存在論的』神証明の独一無比な偉大さである」。すなわち、このアンセルムスの偉大さは、神とは異なる「すべてのその他の存在との関係の中でのその非存在の実体化された総内容（≪独立性あるいは無限性の概念、絶対者の概念、超越性の概念≫）でしかないような神」についての、また「人間の総内容（≪人間の自由な自己意識・理性・思惟の類的本質≫）として確かに考えられ得るであろう……その対象的存在（≪「存在者レベルでの神」≫）」についての「新プラトン主義的な大きな誤謬の淵のところで、この誤謬の淵ぎりぎりのところで」踏み止まり、その紙一重を超えたところで「『存在論的』神証明」を目指した点にある。アンセルムスは、新プラトン主義的な神について、「それとして常にただ詭弁によってだけ証明されることができるであろう神」に過ぎないということを、近代以降のフォイエルバッハやマルクスやハイデッガーによる根本的包括的な原理的なキリスト教批判に引き寄せて言えば、神は、神の人間化あるいは人間の神化における神に過ぎないということを認識し自覚したのである。このように、アンセルムスの思想としての偉大さは、この紙一重を超えたところにあるのである、ちょうど「思想的な問題」が、混合化、混在化、折衷化、二元化、多元化にはなく、自らの立場において両者を包括し「止揚しなければならない」という点にあるように。したがって、アンセルムスは、「神の存在を次のことから証明した。それは、神は、ご自身を、感謝に値する仕方で祈りを聞きつつ、……そのところですべての思惟が始まらなければならない始まりとして」、（≪イエス・キリストにおける神の自己啓示・自己顕現、神の自己認識・自己理解・自己規定において≫）「措定し給うことによって、ご自身を証明されたし、証明されるし、証明されるであろう、ということである」、換言すれば「神は、神が為し給う自己証明の出来事（≪イエス・キリストにおける神の自己啓示、イエス・キリストにおける啓示の時間、イエス・キリストにおける死と復活の出来事、「本来的な実在の成就された時間」、「本来的な実在としてのイエス・キリストの新しい時間」≫）の中で、ソレ以上ノイコトガ考エラレルノヲ拒ム方であり給う」、すなわち「その聖なる名（≪ナザレのイエスという「人間の歴史的形態」・「イエス・キリストの名」≫）によってただ単にその非存在だけでなく、またその非存在を考える思想さえも排除される方である」、それ故に神は「ご自身を人間の認識行為に対して対象（≪ナザレのイエスという「人間の歴史的形態」・「イエス・キリストの名」、起源的な第一の形態の神の言葉、客観的に存在している「啓示の実在」そのもの、具体的には第二の形態である聖書的啓示証言のそれ、客観的に存在している啓示の「概念の実在」≫）として与え給い、同時にまた（≪神のその都度の自由な恵みの決断による「啓示と信仰の出来事」に基づいて≫）人間をこの対象を認識するために照らし出」し給うことによって、「ご自身を証明されたし、証明されるし、証明されるであろう、ということである」。バルトは、『知解を求める信仰 アンセルムスの神の存在の証明』で、次のように述べている――アンセルムスは、「キリストが人間となり給うこと、キリストの贖罪死」の必然性を「理解シヨウ、理性的に論証シヨウとした」ことを、「人は合理主義だと批判」した。しかし、アンセルムスは、「教義学的な合理主義」を明確に否定している。すなわち、アンセルムスは、神学を「一般的真理」――すなわち客観的に存在しているイエス・キリストにおける神の自己啓示（具体的には、聖書的啓示証言のそれ）を媒介・反復することで得られる啓示「認識」（啓示信仰）とは「厳密に区別」されるところの、「単なる知識」としての「一般的真理」としてではなく、「啓示から得られた認識」、客観的に存在している起源的な第一の形態の神の言葉であるイエス・キリストの「実在から」・「啓示の実在」そのものから（具体的には、客観的に存在している第二の形態の聖書的啓示証言のそれから）、「『存在論的』神証明」を目指したのである、それ故に「教義学的な合理主義」を紙一重で超えたところで、それ故にまた「存在者レベルでの神」認識ではないところの、信仰の認識としての神認識の可能性を、啓示認識・啓示信仰の可能性を考えたのである。神「ご自身による」「存在証明の自由」は、「外に向かって」「行使した」、「まさに顕ワサレタ神こそが隠サレタ神」として「存在する」イエス・キリスト（神の第二の存在の仕方）における神の自己「啓示の中での神の自由である」。この「神の自由」は、すでに述べたように単一性・神性・永遠性を本質とする「神にとって」の内在的な「固有」な「自由」と同じである。言い換えれば、単一性・神性・永遠性を存在の本質とする「一人同一なる神」の「完全さ」・「自由さ」は、イエス・キリストの父（創造主・啓示者）、子としてのイエス・キリスト自身（和解主・啓示）、愛に基づく父と子の交わりである聖霊（救済主・啓示されてあること）という三つの存在の仕方の「完全さ」・「自由さ」である。このことが、「自由の中での神の存在である」。神が、「まさにその啓示の中で、（≪その自存性において、≫）そのようにご自身で事を初められた方が、永遠の昔からご自身で事を初められた方であり、そのようにして本来的な、必然的な仕方で、存在される方である」。
「バルトマン」の「カトリックの教義」は、「近代主義者のヘルマン・シェルの理論と対決している」――「シェルの理論によれば、神の自存性」（神の自由）は、「神的な自己実現」・「自己措定」・「自己原因化として理解されなければならない」。「シェルがヒエロムスの言葉と結びつけて言おうと欲したように、神ハ自己ノ原因デアル」。この「命題に対して唱えた」異論において、「形式的・論理的な異論」――すなわち「原因は、引キ起コサレタモノとは別な何ものかでなければならない」あるいは「原因は、引キ起コサレタモノに論理的に先立っていなければならない等々の異論」は、「内容的な異論」――すなわち「神は第一原因として同時に原因および引キ起コサレタモノであることはできず、……ただ原因であることができるだけであるという内容的な異論……と比べればそれほど決定的なものではない」。「神的な自己実現としての、また神がご自身で事を初めることとしての自存性」（神の自由）は、神が「自分自身から……発生するかのように解釈されてはならない」のである。何故ならば、そのように「自分自身の非存在の可能性によって制限されている」「自分自身から発生する神あるいは自分自身によって存続する神」は、「自由な神ではない」からである。しかし、「それにもかかわらず」、「シェルの関心事」――「カトリック教派教義」に対する「シェルの意図」については、「人は、……それをそれとして承認しなければならないであろう」。何故ならば、その、「シェルの意図」は、「アリストテレスの『不動の動者』と神とをスコラ的に等置することに対する反駁であった」し、「積極的には、み子が父から永遠に生まれ、聖霊が父と子から永遠に出ずることについての教説を実り豊かにすることであったからである」。「神の内的な生が、父、子、聖霊の生であるならば、したがってこの生まれ、出ずることの中での神の生であるならば、その時、人は、神的な『自己実現』……の概念によって、神のこの生を表示することに対して決定的な異論を唱えることは困難であるだろう」。しかし、「その場合ももちろん、次の二つのことがよく考慮されるという条件の下で、である」――すなわち、第一に、「神の三つの存在様式」（存在の仕方）のうちで「父の存在様式」（存在の仕方）は、「父なる名の内三位一的特殊性」において起源的な第一の存在様式（存在の仕方）であるから、「『自己実現』の対象ではいないということ」を認識し自覚したうえでという条件の下で、である（シェルは、このことについての認識と自覚を欠いている）。したがって、この「自己実現」という概念は、聖書的啓示証言における三位一体の「神の生に適用する際」には「限界」を持ったそれなのである。第二に、「神のところでそれだけが問題となることができるような永遠の自己実現」という概念は、「神が（≪単一性・神性・永遠性を本質とする自己還帰する対自的であって対他的・他在であって自在・全き自由の神である起源的な第一の存在の仕方である「父なる名の内三位一体的特殊性」の中において≫）ご自身から生じる（≪単一性・神性・永遠性を本質とする三位一体の神の起源的な第一の存在の仕方である父は子として「自分を自分から区別」するし、そのように自己啓示する神として自分自身が根源である・それ故に区別された第二の存在の仕方である子は父が根源である・それ故にまた愛に基づく父と子の交わりとしての第三の存在の仕方である聖霊は父と子が根源である≫）ということとは何の関係も持つこと」はできないそれであるから、「それは、自己原因という概念」とは馴染まないのである。このような訳で、「『自己実現』という言葉」・概念が、「ここで言われなければならないこと」を「正しく言い当て」るためには、シェルとは違って「いかなる発生をも（自分自身からのいかなる発生をも）必要としない」ところの、「神的な存在の自由を意味」しなければならない、「神ご自身においてのみ実在であり真理である」自己還帰する対自的であって対他的・他在であって自在・全き自由の中での、換言すれば「自存性」の中での、神の愛の行為の出来事としての神の存在を意味しなければならない。